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聖ペトロと聖パウロ

 6月29日は、聖ペトロとパウロ使徒を祝う祝日です。彼ら2人は、1世紀にキリスト教の土台を造った偉大な聖人です。この2人を教会はずっと一緒に祝ってきました。それは、異なる使命を与えられていた2人ですが、彼らは共に教会の成長と一致のために命をかけて尽くしたからです。ペトロは「使徒たちの頭、教会のいしずえ」として、パウロは「異邦人の使徒」としての使命を受けていたのです。

 ペトロは、ガリラヤ湖畔で弟アンドレと共に漁をしながら生活していました。彼が漁をしていたとき、イエスから「わたしについてきなさい。人間をとる漁師にしよう」と言われ、イエスの後に従いました。彼の名はシモンでしたが、イエスから「岩」を意味する「ペトロ」という名前を与えられ、後にイエスから「わたしはこの岩の上にわたしの教会を建てる。・・・わたしはあたなに天の国の鍵を授ける」と約束され、教会の頭とされました。西暦60年代半ばの皇帝ネロによるキリスト教迫害の中、殉教しました。ペトロが処刑された場所にサン・ピエトロ大聖堂が建てられ、教皇職は「ペトロの座」とも呼ばれています。パウロは、小アジアのタルソス生まれで、最初サウロと呼ばれていました。彼はローマ帝国の市民権を持ち、有名な律法学者ガマリエルから律法を学んだ生粋のファリサイ派で、最初は徹底的にキリスト教を迫害していました。ある日、キリスト者を捕らえるためにダマスコに行く途中、突然天から、「サウル、サウル、なぜわたしを迫害するのか」というイエスの声を聞き、地面に倒れ、目が見えなくなりました。この復活のイエスとの出会いにより、彼は回心したのです。

 その後、バルナバの協力によりアイティオキアを中心に宣教し、教会をたてていきました。パウロは3回の宣教旅行に出かけ、小アジア、ギリシア、マケドニアなど多くの異邦人にキリストの福音を宣べ伝えました。パウロが各教会に送った手紙は、まだ福音書が書かれていない当時の初代教会に大きな影響を与えました。ペトロと同じ頃パウロもローマで殉教しました。 

2012年12月



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